音楽療法の授業のひとこま

私が非常勤で受け持っている大学の授業のひとこま。音楽療法3年目のクラス。
そのクラスで、先日、一人一人に、これまでの人生曲線を書いてもらった。
人生のよかったこと、あるいは落ち込んだことも一筆書きにしてもらい、その折々に刺激を受けた音楽や、この音楽に助けられた、という音楽等を書き込んでもらった。
そのクラスのメンバーとは、3年間つき合ってきているので、こういうことを行っても、大丈夫という感覚がある。書いてもらうと、予想以上におもしろい。
一人一人、出会った音楽や、お世話になった音楽がもちろんちがうのだが、発表してもらうと、実に、ウーンとうなずいてしまう内容続出だった。共通のものもいくつか。例えば、♪ジャジャマル~ピッコロ~ポロリ~のニコニコプン。現在大学生の幼児の頃はこれだったんだ。
一人の学生さんが♪涙をこえてをあげていた。これって、私が高校生の時にNHK『ステージ101』で大好きだった曲?!何故?!思わず、その学生さんとさびの部分を熱唱。小学校の先生の選曲とのこと。
私が授業をすすめるより、みんなの発表の方がずっと勉強になる。「この曲に出会わなかったら、今の音大の私はない!」とは、中学の吹奏楽部の演奏♪踊る大捜査線の曲、という一人。ベートーベン聴きたさにラジカセ買うため5歳からお金貯めた人…人生、何が出会いになるかわからない。いい授業だった…自画自賛

コメント (4)

臨床哲学者(りんてつ):

おかざきさんのところからこちらに浮気中、りんてつ(・・・いいっすね、これ)です。
これまでの人生と音楽かぁ・・・あんまり多すぎて、長編大河小説になってしまうぞ。無数にお世話になっているし。それに・・・私って、中学・高校とブラスやって、大学で合唱団やった、という、その話題ならいくらでも、という・・・。
でもあえて、「今、ここ」の話を。
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲イ短調Op50「偉大な芸術家の思い出」
私はもともと最近ショスタコヴィチにこっていて、交響曲第12番、なんていうカクレ盛り上がりなものを愛でていたんですが、アルゲリッチ・クレーメル・マイスキー、という信じられないようなメンバーの競演で、ショスタコのピアノ3重奏を手に入れたと思ったら、チャイコがついてきて・・・・いやぁ、実にひっくりかえりました。
爾来、クラシック・POP・合唱などは、聞き分ける大脳の局在が異なっている(別の感覚で聴いている)と常々思っていますが、この年(40台半ば)になり、POP/Rockはそれなりに新しいものに出会ってみるけど、大作曲家のめぼしい銘曲はほぼ網羅した、なんて傲慢なことを考えていました。チャイコも、ダイスキながら、たいがいは聴いたな、なんて。
ところがところが!!!!
いやあ、この道の奥は深い!。
こんな、なんていうか、おお、泰西銘曲!、という感覚の19世紀が滔々と流れるとは。
イ短調の、ロマンティックな旋律の次に、楽しくも軽快な変奏曲がならび、そして、終曲にむかって、冒頭の旋律が、こう、ぐわぁっ、と再現され・・・。
嗚呼、なんとチャイコなんであろうか。
もういちどあの若かったころ、「出会い」にわくわくしつつも圧倒されつづけたあの青春のころの初心にもどり、さあ、今から室内楽の深い森の中、です。いやあ、楽しい楽しい。

後藤浩子:

りんてつさんへ 
なんと、りんてつさんの文章自体が音楽!感動や青春やみなぎるエネルギーや血潮や生命の息吹やちょっとほろ苦い思い出や満足感等…脈打って伝わってきました。きてます、きてます。
私は、音楽療法をやってます、と言っても、音楽を利用して、人とかかわるとところに重点を置いているので、本当にそんなに知らないのです。りんてつさんの重さ深さにすごいなあと絶句です。
チャイコフスキーはピアノ協奏曲第1番。これは、音楽療法ではじめて受け持った自閉症の男の子と交流を持てたように感じられた時に演奏した曲。これには、余談があって、武満徹さんをミュージックセラピー研究会に招いたときに、武満さんが、「何でチャイコフスキーなのか?」と気に入られない様子だったこと。どうしてだったんだろう?
りんてつさんのコメントを読んで、ああ、こんな聴き方があったんだ、音楽で魂が揺さぶられる、そんな聴き方されてるんだ、と改めて実感。
音楽で青春に戻る、これって、一種の回想法?りんてつさんぐらいに音楽を聴くのが好きな人は、一人で音楽療法をすることができるということ!?いいですねえ。
青春にとびます、とびます…

いいな、いいな(^-^)
この乗り(^-^)

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こんな時間まで まだ深夜徘徊? 俳諧?している

おかざき(^-^)/~

あ、そうそう 心理や精神科医など、心の相談に関わる人たちが
北山修監修で 以下の本を出版されています
「心を癒す音楽(講談社)」
私の尊敬する先生(オペラ大好き!)も一章を書いていらっしゃいます(^-^)/~

後藤浩子:

おかざき先生、この本、私、読もう読もうと思って、まだ読んでない本なんです。そのうちに、忘れてしまっていて、今、おかざき先生のコメント読んで、思い出しました。ありがとうございました!

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