もうれつ!怒りの相談室~銀行の巻~
私の文章能力で、どこまでこの出来事を表現できるか、心配ですが、どうぞ、イメージをふくらませて私の愚痴をご理解くださいませ。長くなります。お許しください。
先週の金曜日、あと7分で15時という時間、私は、振り込みのため銀行に滑り込んだ。しかし、嗚呼、銀行の選択を間違っていたと、疑念が湧いた。そこは、ATM専用の銀行だった。私の用事は窓口で振り込まなければならない種類の塾の所定用紙の振り込み。電車に乗って移動中、その駅から走っていくのに、その銀行の支店が二カ所思い浮かんだが、近い方を選択したための判断ミスだった。
しかし、一応、ここでできないか、ATMの機械の横に立っている銀行員レディに尋ねた。「ここは窓口はないんですよ。」と彼女。「じゃあ、もう一つの支店に走ります。」と私。15時まで残すところ5分。彼女「15時には窓口しまるので、無理だと思いますよ。」そして、付け加えて言った。「機械でもできるかもしれません。手数料はかかるかもしれませんが。まあ、やってみましょう。」「手数料がかかるのならやめます。締め切りは今日ではないので。」
私は、半信半疑で、この紙に印字するような機械なのかな?と思いつつ、銀行レディの言うとおり、操作を始めた。銀行レディは、私に、「はいここを」、は「いここですね」、「はい、こちらを」と右手で丁寧に指し示しながら、操作を先導してくれた。しかし、やはり、この紙に印字できないし、しかも105円手数料がかかることが画面に表示された、その瞬間、今まで案内先導はしていたが、決して自分では画面にタッチしなかった銀行員レディの右手人差し指が、あろうことか、確認OKのボタンを押してしまった。
瞬く間に画面は、変わり、後戻りはできなかった。送信され、送金されたのだった。銀行レディは、すぐさま機械横の電話をとり、叫んだ。「29番の機械ですが、送金をストップしてください!」できるはずはなかった。
裏の係の方に、連絡を取ると、私の振り込み用紙を見て、「これはここでやったらいかんもんやった。」と、一言。すると、銀行レディ「でも、用紙の裏にATMでもできるって書いてありましたし…」そして、結果、そこから5分ほどのもう一つの支店に連絡を取り、窓口で、その所定の用紙に印鑑をもらうように話をつけてくれた。「あんたも行きや」銀行レディ「はい、すぐ支度して参ります。」
そして、銀行レディと私の支店から支店への道中、わずか5~6分のことだったが、なんと気持ちのウジャウジャした旅であったこと。
私は、何がまずかったか考えていた。
・銀行レディに「あなたが勝手にボタンを押したからでしょう!」言ってやりたいのか。
・最初から、少し遠くても、窓口のある銀行に走ればよかった、と、自分に憤慨しているのか。
・ATMしかないとわかって時点で、一か八か、もう一つの銀行に走ればよかったと後悔している。
・銀行レディは、仕事をわかっていなかったのではないか。わからないのに、引っ張ったのではないか
とにかく、いつも愛想のいい私が、道中、一言も話さなかったのだ。
すると、銀行レディが一言「今日は、春らしい陽気ですね。」
今、その話題じゃないだろう!?びっくりして私は「は。」と言ったきり、同意もできなかった。すると、銀行レディ、私の顔をのぞき込む。私は、怒った顔をしていいのか、やりきれない顔をしていいのか、どんな顔をしていいのか、わからなかった。
なぜなら、私は、音楽療法の講座で、『アサーション(さわやかな自己主張)』について触れてきた帰りだったからだ。
「あなたが、ボタンを勝手に押したんですよね。」
「あなたが失敗したのに、謝らないんですね。謝ってください。」
なのかなあ?
でも、その銀行レディは、自分が勝手にボタンを押してしまって、しまった、と思っているのに、他の銀行員には、自分のミスを言っていない。多分彼女はパートの銀行員なんだろう。振り込み方法も理解していないのではないだろうか?
どれもピッタリしない気持ちで、もう一つの支店に着いた。厳重なセキュリティの中、閉まっている銀行の窓口に入った。連絡を取っていた銀行の上司が奥から出てきて、銀行レディが説明した。「これは、機械ではできない学校の分なんですね。」そこでも銀行レディは、用紙を裏返し、「でも、ATMでもできるって書いてあるので」と言った。上司は「いや、でも、この紙が必要なんですよね。それじゃあ、機械ではできない。」と私を見据えた。そこで、私は私の感情に気がついた。
「ミスしたのは私じゃない。なのに、この銀行レディは、係や上司に一言もそれを言わず、“お客さんがまちがってやられた”ことにしている!ひどい!」
そして、処理がなされて、その上司から、電信扱いで送金した旨の所定の用紙が渡された。
「こちらに記入しましたので。」と、優しく、丁寧に、わけのわからんお客に言うような調子で言われた。
さらに、「窓口で手続きされたら手数料はいらないのですが、お客様が機械でされましたので、その手数料105円は、すみませんが、そのままです。」と。私「返してはいただけないんですね。」「はい。」
横にいた銀行レディは何も言わないで立っている。「私のミスです。」と言うところでしょう!!
そこで、私は、自分の気持ちが素直に出てきた。
「すみません。手数料の105円がどうの、というのではありません。ただ、私のミスでこのことが起こったようにすすんでいるようですが、ちがうんです。私は、窓口でやろうと言っていたのに、この行員さんができるかもしれないと、おっしゃるので、手数料が出ると表示されたらやめますということで、すすめていたんです。なのに、この行員さんが、私の操作画面の確定ボタンをご自分で押されたために、このようなことになったんです。ですから、一言、そのことを謝っていただきたいのです。」
上司表情が変わり、「え、そうなのか?」
銀行レディ「はい、そうなんです。ATMでもできると思ってやったんです。私がボタンを押しました。申し訳ありません。」
上司「申し訳ありません。」
私「結構です。」
上司「それでいいですか?」
私「はい、私のミスじゃないっていうことがわかっていただけたら結構です。」
二人、深々とお辞儀。
帰り道、もう一度、セキュリティの中を銀行レディと通り抜け、銀行の外へ出た。
そこで私、銀行レディに一言。
「結果的には、とうてい間に合わないだろう手続きが、おかげでできたことになりました。105円の手数料はかかったけれど。行員さんがご親切でやってくださったこと、そのご親切はわかりましたが、最後の最後で、ポンとたたいたボタンが一瞬で、そのご親切が仇になって…。機械の怖さは私もパソコンの送信などで、失敗をして感じでいます。だから、行員さんのお気持ちや戸惑いもわかるのですが、最初に謝っていただきたかったです。」と。
銀行レディは、親切心のある人ということはわかる。でも、仕事の内容に疎い人のようである。でも、私たち素人は、銀行の制服を着ている人だから、銀行のことはすべてわかっている人と思いこんでしまう。そのために、かえって振り回されてしまう。「わかりません」とか、「できません」とか、言ってくれた方がましだったかもしれない。
私が、大声で怒れなかったのは、その銀行レディに、自分の姿を見たからだった。
スクールカウンセラーとか臨床心理士とか音楽療法士とか、その仕事の中で、その銀行レディのようなことをしていることがあるのではないか?
そこがこたえたのだった。
自分の気持ちをさぐる事件であった。
その銀行さん、心配しないでいいですから。関西テレビの『痛快!エブリディ 木曜日 モーレツ怒りの相談室』には投稿しませんから。
長々と書きまして失礼しました。また、読んでいただき、ありがとうございました。