4月25日

2年前のこの日、JR福知山線で電車が脱線し、死者107名、負傷者555名の大惨事となりました。
最初にご冥福をお祈りします。

その日、私はスクールカウンセラーの仕事で芦屋の中学にいました。職員室に戻ると 
テレビがつけっぱなし。とても不思議な画面が映し出されていました。

??? 用務員さんが「電車が転覆したようですよ。尼崎で」と教えてくれました。

え、尼崎? 知り合いが乗っていたのでは? よく聞くと福知山線とのこと。
瞬間、この路線を使う患者さんたちの顔を走馬灯のように巡り、
ああ、私の外来日は明日だから、
今日は乗っていらっしゃる方はいないだろう、と少し安堵しました。 
その後、沿線の知り合いの顔が次から次へと浮かびました。

そしてかすかなcalling(召命)の予感! この現場に呼ばれるだろう。

やはり翌日に電話があり、生徒たちが遠足へ行くために乗り合わせた高校へ
入ることになりました。

この高校では2名が亡くなり、14名が重軽傷を負っていました。
ここには一年間、事故に合った高3の生徒たちの卒業を見届け、引きました。

専門的なケアに関しては 今夏出版予定の「心の傷に寄り添って」(金剛出版)に
まとめました。

でもね、生徒がどんなに頑張ったか、先生方がどれほど懸命に支えられたか、
どれだけみんなが成長したか、感動的なエピソードにたくさん出会ったのに
紙面の都合やプライバシーの点から、わずかしか書けませんでした。


良ければ続きを読んでください。

亡くなった方を蘇らせることは今の医学では不可能です。

いろんな事件・事故現場を経験していて、大事な家族や友人をなくされた方にとって、時は止まります。 

病没でも家族の悲しみを埋めるのは難しいのに、理不尽な別れを強いられた方は、
心の整理がつきません。 

喪の仕事 悲しみを心に落ち着かせるモーニングワークには
長い長い月日がかかります。

身体や心に怪我を負った人の回復はその方の内的な力
(年齢、体力、経験知、適応力など)、
そしてその方を取り巻いている社会的な要素
(ご家庭や学校、職場、友人関係など)によって違ってきます。

でも回復へ向かわれるとき、感動的なシーンに遭遇することも稀ではありません。

研究会仲間で大事な友人だった安克昌先生(精神科医 享年39歳)は、
彼の著「心の傷を癒すということ(作品社 現在角川文庫)」の中で、
「私は心的外傷から回復していく人たちに崇高な何かを感じる」と記しています。
本当に回復に添わせていただくとき、人間の素晴らしさを再発見させられます。

でもね、負わなくて済むのなら、傷を負わないほうが良いんです。
未然に防げるなら、予防できるなら、そのほうがはるかに
メンタルヘルス(精神衛生)は安定します。

それが、今回予防医学心理学研究室をたちあげた理由です。
病院や学校、その他の臨床で積み上げたノウハウを少しずつ書いていきたいと思います。

おかざきじゅんこ、岡嵜順子、岡﨑順子 後藤浩子 
okazaki junko goto hiroko

コメント (3)

臨床哲学者:

この事故のお話は・・・いわゆる「論文調」にまとめるため、物語(ナラティブ)の幾分かをそぎ落とさなければならない、という感じでしたね。
実はおかざき先生の想いも生徒さんたちの想いも、学校関係者の皆様、ご父兄の皆様の想いも、物語的媒体・・・「小説」などとして(より匿名性を堅持した上で)描かれたほうがよかったのかもしれません。
ふと、「生徒諸君」教師編第3巻を思い出して。

臨床哲学者:

この事故のお話は・・・いわゆる「論文調」にまとめるため、物語(ナラティブ)の幾分かをそぎ落とさなければならない、という感じでしたね。
実はおかざき先生の想いも生徒さんたちの想いも、学校関係者の皆様、ご父兄の皆様の想いも、物語的媒体・・・「小説」などとして(より匿名性を堅持した上で)描かれたほうがよかったのかもしれません。
ふと、「生徒諸君」教師編第3巻を思い出して。

臨床哲学者様、おはようございます(^-^)

コメントありがとうございました。
能力の不足もあり、学会発表や論文をまとめるときにいつも、客観視すること、
要素をそぎ落とすことに馴染まず、じたばたしてしまいます。
いつもいつも臨床哲学者様にはサポートをいただき、本当に感謝です。

多くの人がその人固有のドラマを抱えていて、その一つ一つが貴重な味なんだと 
師匠の一人、中井久夫が申しておりました。

アイゼンクが行動科学の名の下、人の心の動きを数値に置き換え始めた。
その途端、個別の事象が一般化され整理されたが、無味乾燥、味気なくなったって。

科学としての法則を尊重しながら、でもお一人お一人を大事にしていける 
そんな診療がしたいですね。

臨床哲学者さんは、その地になくてはならない臨床医になっていらっしゃるの、
さすがです。(^-^)/~

またご教授よろしくお願いします(^-^)/~

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