中学生のA子は 愛くるしい眼差しとすらりと伸びた手脚を持つ
運動神経抜群の少女だった。
過酷な家庭背景を背負ってはいたが、勉強も運動もけなげに頑張る
けれど時々一杯一杯になるようで、保健室の常連だった。
週1しか登校しないスクールカウンセラーの私にも 親和性を感じたのか、
放課後、よく相談室に入ってきた。
ある短縮授業の放課後、数人の女生徒が集まってパズルをしながら取り留めない
お喋りに花が咲き始めた。
「お昼は?」 と尋ねると
お弁当を持ってきている子、家に帰って、という子に交じって
「今日、何にも用意して来なかった」とA子が言った。
遠慮するA子ともう一人のために 昼食を用意した。
おにぎり、お寿司、そして近くのお惣菜屋さんで買い求めたおかず色々と
温かい飲み物
包みを開くと、子どもたちは歓声をあげて食べ始めた。
A子は 嬉しそうにおにぎりを一個取り、
「私、これ食べても良い?」と もう一人の友人、
お弁当を持ってきていた友達にも尋ねた。
おかずのお皿をA子のほうへ置くと、真ん中に移し、
「だってね、みんなが届かへんから」
本当に美味しそうに嬉しそうに食べた。
そして必ず食べる前に、「これ、食べても良い?」と周りに尋ねた。
A子が 家の食卓で、どんな風に気を遣い、遠慮がちにお箸を伸ばしているのか、
目に浮かぶようだった。
自分より先に弟たちの食欲を満たすことを考えているのか、
時には母から叱責が飛ぶのかもしれなかった。
A子の鞄は驚くほど軽かった。
「家に勉強道具を持って帰っても、勉強させてもらえへんねん」
家では 兄弟の世話、家事が中学生のA子の肩にかかっているらしかった。
弟の勉強もみてやっていたようだった。
家庭背景が過酷なとき、時には反社会的言動につながる子どもがいる
でも 関わらせてもらった学校で、けなげに頑張る数人の
子どもたちにも出会った。
時には寂しさから道をそれることもあるけれど、けなげに勉強も運動も
そして家事全般、弟の世話も頑張る「小さなお母さん」
せめて、この子たちの未来が良いものになるように、
夢がかなうように、週1のSCとして一生懸命応援したいと思っている。
当予防医学心理学研究室(兵庫県神戸市)は、
個人カウンセリングやメンタルヘルスセミナー講師:
企業のメンタルヘルスケア、特定保健指導、メタボ撃退
やせる心理学担当の臨床心理士
笑いの絶えない癒し系心理士 岡嵜順子と
warm heart 乳幼児から高齢者まで対応の
音楽療法士後藤浩子が活動しております。
おかざきじゅんこ、岡嵜順子、岡﨑順子 後藤浩子
okazaki junko goto hiroko
コメント (2)
13日の金曜日の夜、当直中の救急外来のPCで読みました。
夜中の1時、外は真の闇、雨、赤の回転灯、遠くに聞こえる救急車のサイレン・・・
このお嬢さんのおかげで元気がでました。
このお嬢さんのお子さんは、きっときっと幸福な子どもになれるでしょうね。
機会がありましたら、地方病院の当直医の心を暖かくしてくれたお礼をお嬢さんに申し上げておいてくださいませ。
投稿者: 臨床哲学者(りんてつ) | 2007年07月15日 23:27
日時: 2007年07月15日 23:27
りんてつ様、コメントありがとうございます(^-^)
ええ、A子には幸せになって欲しいんです。
でもね、彼女の悩みの一つが、
「あのね、私の場合は虐待っていうほどのことでもないんだけれど
(SCの目からみて、明らかに虐待です!)、
虐待を受けた子どもって、お母さんになった時、無意識に自分の子どもに
虐待を繰り返すっていうでしょ。
私もそうならないか心配」
私「あのね、同じように叩かれて育った子どもでも、
親になった時、
無意識に子どもを叩いてしまう人と、
自分が嫌だったから、決して叩かない人と
二通りあるのよ。
いまから先のことを心配しても始まらないから、
中学時代にしか出来ないこと、
身体を鍛え、頭を鍛え、精神を鍛え、
きれいな思いや気持ちで自分が一杯になるよう、
毎日毎日を大事に過ごそうね」
こうやって激励するしかないんですね。はあ
彼女が本当に素敵なお母様になれると良いな
りんてつさんの温かい思いを伝えておきますね
ありがとうございました(^-^)/~
投稿者: 岡嵜 順子 | 2007年07月16日 21:58
日時: 2007年07月16日 21:58