トラウマへの対応

2007年04月25日

4月25日

2年前のこの日、JR福知山線で電車が脱線し、死者107名、負傷者555名の大惨事となりました。
最初にご冥福をお祈りします。

その日、私はスクールカウンセラーの仕事で芦屋の中学にいました。職員室に戻ると 
テレビがつけっぱなし。とても不思議な画面が映し出されていました。

??? 用務員さんが「電車が転覆したようですよ。尼崎で」と教えてくれました。

え、尼崎? 知り合いが乗っていたのでは? よく聞くと福知山線とのこと。
瞬間、この路線を使う患者さんたちの顔を走馬灯のように巡り、
ああ、私の外来日は明日だから、
今日は乗っていらっしゃる方はいないだろう、と少し安堵しました。 
その後、沿線の知り合いの顔が次から次へと浮かびました。

そしてかすかなcalling(召命)の予感! この現場に呼ばれるだろう。

やはり翌日に電話があり、生徒たちが遠足へ行くために乗り合わせた高校へ
入ることになりました。

この高校では2名が亡くなり、14名が重軽傷を負っていました。
ここには一年間、事故に合った高3の生徒たちの卒業を見届け、引きました。

専門的なケアに関しては 今夏出版予定の「心の傷に寄り添って」(金剛出版)に
まとめました。

でもね、生徒がどんなに頑張ったか、先生方がどれほど懸命に支えられたか、
どれだけみんなが成長したか、感動的なエピソードにたくさん出会ったのに
紙面の都合やプライバシーの点から、わずかしか書けませんでした。


良ければ続きを読んでください。

続きを読む "4月25日" »

2008年06月26日

四川へ 心理支援に入ります

7月初旬に四川に 震災心のケアチームの一員として派遣されることになりました

昨日、マスコミリリースされましたので、このHPでもお知らせさせていただきます。

私は重慶 西南大学 成都の西華大学で、
心理専門職者・学生に、避難所での心理援助の実際や災害後のカウンセリング実習など、
実践的研修を行う予定です。

ニーズが高いようで、朝8時15分から夜は9時過ぎまで研修予定が入っています。


また後半には 中国心理学会、西南大学がサポートしている被災地を訪問して
助言交流を行う予定です。

暑さや衛生状態も決してよくはないらしいのですが、
派遣される以上、少しでもお手伝いできるよう
頑張ってきたいと思います。

マスコミリリース文

 中国四川大震災心のケアチームの第2次派遣について
        日本心理臨床学会・理事長 鶴光代
                            日本臨床心理士会・会長 村瀬嘉代子
                                              
日本心理臨床学会(会員数20,148)は、西南大学心理学院(重慶)の要請を受けて、中国四川大地震によって被災した人たちへの心のケア(心理援助)に携わる心理専門職者・学生ボランティアに対して、災害が多い日本の心理援助に関する専門的知識を伝達するため、臨床心理士4名を5月26日から1週間、重慶、成都、徳陽に派遣しました(第一次派遣)。その結果、心理援助のニーズは高く、中国の心理専門職者・学生ボランティアへ、さらに専門的知識を提供する必要があると判断し、臨床心理士9名と通訳学生2名を派遣することを決定しました(第2次派遣)。期間は、7月1日~7月8日の間で、北京グループ(5名)と重慶・西南大学グループ(6名)が前半それぞれに活動し、成都にて合流し、後半は、被災地での心理援助のあり方を助言・交流する予定です。
なお、今回の派遣は、中国心理学会と中国西南大学(重慶)の要請によるものです。これを受けまして日本心理臨床学会と日本臨床心理士会は、民間支援の形で災害ストレスケアの専門家を中国に送り、先方の心理専門家に対処法を伝達することに致しました。

1,チーム名:中国四川大地震心のケアチーム日本
  2,派遣メンバー ◎第二次派遣総括リーダー  ○班リーダー
      ◎冨永良喜(兵庫教育大学大学院・教授)
  ○高橋 哲(芦屋心理生活研究所・所長)
  吉 沅洪(広島市立大学・准教授)
         矢島郁代(新潟県柏崎市元気館)
         高橋光恵(兵庫県スクールカウンセラー)
       ○小澤康司(立正大学・准教授)
        小林朋子(静岡大学・准教授)
        岡嵜順子(予防医学心理学研究室・代表)
        織田島純子(新潟県スクールカウンセラー)
黄 正国:広島大学教育学部学生(通訳)
        張 磊:東京大学教育学研究科博士後期課程学生(通訳)
出国:7/1 関西国際空港 14:00発北京行き(4名) 9:15上海経由重慶行き(3名)
        成田空港 8:55 上海経由重慶行き(3名)   

3,活動予定
1)北京にて、心理専門職者に、阪神淡路大震災・新潟中越地震などでの心のケアの理論と実践方法について、伝達する。
2)西南大学(重慶)にて、心理専門職者・学生に、避難所での心理援助の実際や災害後のカウンセリング実習など、実践的研修を行う。
2)中国心理学会、西南大学がサポートしている被災地を訪問し、助言交流する。
4,問い合わせ
1,このプロジェクトのマスコミ窓口:
冨永良喜(090-4493-4185)
重慶チーム・西南大学心理学院・86-13983949824(湯永隆):
  2,日本心理臨床学会
    〒113-0033東京都文京区本郷2-40-14 山崎ビル501
    TEL;03-3817-5851 FAX;03-3817-7800

続きを読む "四川へ 心理支援に入ります" »

2008年07月10日

四川から戻りました

四川、
8日夜11時過ぎ、中国四川から無事自宅へ戻りました。

8日間の重慶、成都での体験はとても大きく、まだ言葉にまとめられません。
特に重慶では朝8時半から夜の9時半まで
ほとんど研修、研修で
(ボスには サマリーを至急と要求されていますが(^-^;)

人口が10倍、国土も大きく、
結果、被害も阪神淡路大震災の約10倍 死者がほぼ7万
 まだ行方不明の方も2万人近く

阪神のときには個別の名前で上がりましたが、中国はどうなんだろう?
数でしか上がってきていないみたい

%E8%9D%97%E5%B8%9B%EF%BD%B7%E3%83%BB010%5B1%5D.jpg

重慶では西南大学で3日間 大学関係者、被災地の教員、そしてボランティアへ
心理援助の様々な研修
夜には 1日目は重慶の病院からの心理・医師たちへの研修
2日目は重慶精神病院へ出向き、50名近い医師・心理士、ナースへの
Q&A スーパーバイズを担当しました。
皆さん、とっても熱心で、私語もなく、席も前から埋まり、
質問も次々とでて
支援への熱意、how toを習得したい、より良い支援をしたいとの
熱い思いが伝わる時間でした。

一番印象的だったのは、
後方支援地としての重慶、成都という土地柄、
重症者は搬送できず、軽症者は現地でケアできるので
関わる必要があるのは、手足切断、なんらかの身体的負荷を負った方々
それも半端ではない数

そして学校が壊れてしまい、行き場を失った子どもたち
これは学校単位で、病院や施設を仮の宿として

真っ赤な横断幕に それぞれの地区の名前と 第○中学の子どもたちがここにいます
という表示があふれていました。

メインは喪失体験
親を亡くし、親族を亡くし、家を失くし、四肢を失くし、

質問の一つに、
「親族が被害に合いました。家も 周囲も壊れました。
(政府の施策によって?) 元の場所に戻ることが出来ません。
私たちは全員 他の場所に移動するように言われました」
移動する人間は 兵庫県規模のようでした。
その女性は会場に座っているときから、表情がずっと険しく暗く、
全身から悲しみがあふれ出しているようでした。

長岡からの織田嶋先生は山古志村のケース
コミュニティが一団となって 同じ地域に移住する方法を提示して
いらっしゃいましたが、
私は話を聴きながら、県外被災者を思い出し、
涙を流すしかありませんでした。

四川の被災地は少数民族が多く居住していた地域で
移住により、固有の地縁や文化が崩れ去っていく可能性があります。

無力を感じました。

「変えられることと、変えられないことを識別しましょう。
もし一緒に元の故郷へ戻ることが可能なら、
そうして欲しいなら声をあげましょう。
もしそれが不可能なら次善の策として、一緒に一団として移動する提案をしましょう。
それも無理なら お便りやお知らせでつながりを確認し続けましょう」

そんな提案しか出来ませんでした。

支援者は往々にして無力です。
でも 師の一人である中井久夫はBeingすること、傍に寄りそうことの大切さを
説きました。

会が終わったあと、その女性は
「友が来て、私たちのために一生懸命 助けようとしてくれていること
そして一緒に涙を流してくれることに慰められました。」と握手とハグをしてくれました。


西南大学の最後のセッション 日中米合同シンポの折り、
「支援の方法としての文化差」のトピックスで、
我が隊長 冨永良喜先生が
「確かに文化の違いがありますが、
それ以上に人間としてシェアできる悲しみ、悼み、
それを支えていこうとする熱意、そこに同質性を感じました。
私たちは中長期的に支援していきたいと思います」という
言葉の重さと深さに共感しました。


IMGP0661%5B2%5D.JPG

2008年12月04日

災害・事件後の心のケア養成研修会案内

今年もいろんな災害やイヤな事件が続きましたね。
来る年こそ、良い年に(少し気が早い(^^;))

兵庫教育大学の冨永先生企画の研修会が 1月10.11.12日の連休を使って、神戸市中央区ハーバーランドでもたれます。
日本心理臨床学会後援、四川震災支援派遣チームが中心となって講師を務め、海外支援の即戦力となる人材育成を視野に入れてのプログラムです。

 学会支援ですが、講師陣もボランティア参加のため、研修費は無料です。
ただし滞在費や旅費は個人負担。

とっても良い話だと思うのですが、
冨永先生はコマーシャルが下手なかたで、学会のHPにアップしただけとか、

誰が見るの....って感じでまだ応募者が大変少ないそうです。
せっかくなのでもったいないので、お知らせさせていただきました。

お住まいの地域の臨床心理士会、お知り合い、あるいはお仲間でも、
興味をお持ちの方、参加希望者、将来的に海外での支援を希望されるような方に、このメールを回してあげて下さいませんか?
よろしくお願い申し上げます。

お申し込みは兵庫教育大学 冨永良喜先生の研究室宛
hotanshin@hotmail.com(冨永良喜)へメールでお申し込み下さい。

興味をお持ちのかたは、以下にチラシ?を添付しておきますので、
続きを読むをクリックしてください(^^)/~


続きを読む "災害・事件後の心のケア養成研修会案内" »

2008年12月11日

だんだんの國  島根被害者支援研修会へ

先週末 島根県の被害者支援ネットワークの招聘を受け、
松江に出向きました。

前日からの寒波、岡山からの山越えは吹雪
降り積もっていく雪を眺めながらの道中でした。

CIMG0801.JPG


CIMG0802.JPG

宿は宍道湖畔温泉 皆美 
文人墨客の愛した宿とかで、
明治時代から 
小泉八雲、島崎藤村、芥川龍之介、与謝野晶子、鉄幹 、
などなどの直筆の額が飾られています。
箸入れは棟方志功の美しい絵文字です。
 
ゆったりとした時間
日本の名庭に選ばれた庭、その樹齢360年の松に降り積もる雪
宍道湖の珍味 ウナギと地の野菜のお清まし
ゆで蟹、蟹のお刺身、焼き蟹、蟹の天ぷら そして蟹の炊き込みご飯などなど、
夢中でいただいているときは、写真を撮るのを忘れます(^^;)

たった12部屋しかないとか、
部屋から眺める宍道湖  

翌朝は皆美特製の 鯛めし 
鯛のそぼろや卵の黄身、白身のそぼろをお出汁を掛けていただきます。

母を同行したのですが(たまの親孝行)
神戸市出身の市長さんの案とかで、
神戸直輸入のループバス、
お城の廻りの堀をめぐる堀川遊覧というお船(しかもおこた付き!)
で 脚の痛い母でも、
歩かずに市内遊覧出来るようになっていました。

CIMG0812.JPG


市内福祉センターの 研修には、臨床心理士会を始め、
警察、教育関係、もちろん被害者支援の支援要員の方々が
大切な日曜、しかも晴天にも関わらず、熱心に聴講下さいました。

研修後、わざわざ声を掛けて下さり、ご自分の体験を話して下さった方

なによりも島根心理士会、かつ被災者支援の大切な役目を担っていらっしゃる
中心的存在
M先生、きめ細やかなお世話、本当にありがとうございました(*^_^*)

今まで 何度も研修を担当させていただいてきましたが、
母が私の話を聴いてくれたのは、初めてでした。

私にも   良い時間でした。

続きを読む "だんだんの國  島根被害者支援研修会へ" »

2011年03月19日

街に元気を!

震災対応で、

知恵のある人は知恵を
力のある人は力を
お金のある人はお金を
何もない人は 元気を出しましょう

今日、聞いた 良い話(*^_^*)

続きを読む "街に元気を!" »

2011年05月03日

東日本大震災で被害に遭われた方へ

昨日来、大きな地震に胸がつぶれる思いです。
被害に遭われた方へ、助け合い、支えていきましょう。

被災地外の ご心配でいっぱいの方々へ

過去の震災や様々な事件事故対応を担当した身として、
どうぞ皆様、それぞれのご家庭で、職場で、コミュニティで
「悲しみを中心に据えて、日常生活を大切に(河合隼雄 1997) 」
お過ごし下さい。


危機は人間の主体性と尊厳を脅かす
 過去の心の傷を呼び覚ます
 一人では乗り越えられない
 人と人との良いつながりと
 過去の悲劇によって学んだ
 知恵によって乗り越えられる

2011年05月24日

石巻へ

5月9日から 文科省、宮城県そして 日本心理臨床学会 東日本大震災支援センターの共同事業として、開始された スクールカウンセラー派遣事業の第一陣として、
石巻へ入りました。

また詳細は ゆっくり記していきたいと思っています。

まだまだ 石巻では 鎮魂と祈りの時間が流れています。

2011年09月10日

震災・津波 半年   みんなで超えていきましょう   仙台での研修

震災・津波後 半年
被害に遭われた方々、そして 震災後 心を痛めていらっしゃる皆様に
お見舞い申し上げます。


9月8日 仙台市中央市民センターにおいて
テーマ メンタルヘルス対策における重要ポイント
 震災からもうすぐ半年。 これから従業員をどう支えますか
主催 日本マンパワー  後援 仙台市
を担当させて頂きました。

会場にほぼ一杯の受講生。
皆様 熱心に耳を傾けて下さいました。

約2時間の研修終了後、質問タイムをもうけました。

やはり、被害の話、 従業員の不調、 疲弊など ご相談が多かったです。
半年のこの時期から 少しずつ格差 温度差が生じてきます。

家のある人、生活の再建に向かえた人は すさまじい災害トラウマからゆっくりと回復していけます。
ただ、まだまだ ほぼ毎日のように余震がある状況では、postにならない現状が・・・
まだ渦中の可能性も大と感じました。


喪失トラウマ:大事な人、もの、思い出、 場所などを亡くした人
 これもきついですね。 家を失くし、 身内や知り合いを亡くし、 そして慣れ親しんだ美しい風景を失くした人々。  一次産業従事者が多く、職を失った人も少なくありません。
一家の大黒柱、 家、 生活の基盤を失くした人・・・・喪の仕事をゆっくりと始めていっていらっしゃるのでしょうか・・・

生活トラウマ(日々の生活にまだまだ不自由な人)
 これはゆっくりと 疲れをもたらしますね。
 疲弊


半年たち、 初めて訪問した5月の連休明けと比べても、
空港そのものも 通常に近い形でオープンしていましたし、
信号機も回復 ただ、相変わらず、瓦礫 特に鉄くずや流された車が積み上がっている区域がありました。

仙台市街はもともと 美しいままでしたが

湾岸部はどうなんだろう・・・
石巻の人たちは元気なんだろうか・・・
改めて、また訪問したいと感じました。

ただね、 
命の瀬戸際に立たされたとき、人は真剣になり、 本気になり、
ぎりぎりのところで、命が輝き始める場面にも遭遇しています。

今までの日常がどれほど 幸せであったかを 再認識したり、
真剣に人のために役立つことをしたいと思い始めたり、
苦難は人を鍛えてくれるという見聞を今回もたくさん教えられました。

目の前の大きな苦しみも、
みんなで助け合えば、 超えやすくなります。

あなたは一人じゃない。
みんなで 頑張っていきましょう。

2012年03月11日

3.11 祈りのときを


パリ ノートルダム寺院での 3.11追悼ミサにて、
スーパーキッズオーケストラの演奏

1年経ちました。 被災地の皆様にとって、どんなにか、大変で困難な月日だったことでしょう。
今日一日は頭を垂れて あの日のこと、あのあとのことを思い返し、祈りたいと感じています。

3月6日 事務長 石川さんが西宮芸術文化センターのチケットを取ってくれました。
スーパーキッズオーケストラが 3.11にパリのユネスコで 東日本大震災追悼と
世界への支援感謝へのコンサートをするための壮行会コンサートでした。

実は3年関わらせてもらった 中3 Hさんも メンバーの一人
パリへ行くことになっていたのです。 彼女の成長はとても嬉しいことだったので、
私も送り出したいと思いました。

良い会でした。 G線上のアリアなど、震るえるほど 胸に迫りました。

http://www.ustream.tv/recorded/21037133

ノートルダム寺院での追悼ミサ、およびユネスコでのコンサートの模様は上のURLをクリックしてください。


2013年03月11日

震災から2年

震災から2年の月日が流れました。

あのとき出会った方々は 今、どんな風に過ごしていらっしゃるのでしょう。

5月初旬の石巻で、
いろいろ語ってくださった あの先生たちは
涙を流しながら親友のことを語ってくれたあの子は

そして 幼い子を抱きしめながら 夫の死を悼めなかったことを

ああ、まだ 実感していないのですね
と一粒の涙を流した人は

緊張のさなか
避難所からの通勤・通学
それぞれが 控えめな真剣な目をしていたあの方々。

その後も石巻 仙台 福島へ何度か行かせていただきました。

心が戻っていく場所です。

「先生はね、傷ついた石巻しか、知らないでしょう?
本当はとってもきれいな街だったの。
またきれいになった石巻を訪ねてきてください」

いつか約束を果たすために、また訪れたいと思っています。

心に残る人たちに会うために。

TOP